2020上半期を振り返って。県内子どものいじめ5年連続増加

 日頃からNPO法人「子どものオンブズにいがた」に対しまして、温かいご支援、ご理解を賜り、厚く御礼申し上げます。
新潟市からNPO法人として認証され、早や7年が経過しました。この間、いじめ問題や不登校で悩む子どもさんや保護者の皆様の相談を受けて、地道な調整活動を続けて参りました。相談・調整活動の件数は決して多くないのですが、その成果から子どもさんが元気を取り戻し、目標に向かって歩みだしたとの連絡を受けますと、相談をうけることに留まらず、学校や教育委員会へ出向いて、問題解決をはかる「子どものオンブズにいがた」の取組みの重要性をあらためて痛感しています。

2020年度はこれまで誰もが想像していなかった新型コロナウイルスが世界的に流行し、終息にはまだ時間がかかりそうです。
国内でも3月以降、外出自粛要請や緊急事態宣言、3密の回避や新しい生活様式の推奨など、日常生活も大きく変化しつつあり、今もなお社会活動が停滞するなど様々な影響が出ております。
「子どものオンブズにいがた」の事業についても毎年開催している講演会を延期したり、関連する団体の様々な活動も中止となり参加ができなくなり、活動が停滞しました。
毎月開催している定例会議も一堂に集まることが出来ない状況となり、急遽WEB会議で開催することになり、慣れるまで時間がかかりました。
WEB会議を開催するメリットもありました。全国の子どもの人権問題を支援するNPOがWEB会議で情報共有や情報交換をしたり、逢うことのなかった人や今までしらなかった情報を得ることができとても有意義な会議になりました。

「子どものオンブズにいがた」の相談ツールは、今までは電話や対面による相談が主流でしたが、今後はLINEによる相談もできるように検討をしています。
またQRコードを導入して「子どものオンブズにいがた」のHPにアクセスできるように準備をしています。「子どものオンブズにいがた」のロゴマーク(ホームページのトップに表示されています)も新しく作成しました。

子どものいじめの現状については、新潟県では、5年連続で増加しており、2019年度には2万390件になりました。
新潟市では、1万5431件で政令市では全国1位という数値となっています。市教委では「認知件数が多いことは悪いことではなく、それだけ教員が発見に努めているということ。これからも早期発見に努める」と述べています。
いじめの早期発見はよいことですが、発見されたいじめへの適切な対応策が講じられていなければいじめの減少は図られることはなく、子どもの人権は守られないのではないかと懸念されます。

コロナ禍で新しい生活様式が模索されていますが、早急に以前のような日常生活には戻れそうもありません。しかしコロナ禍を理由に「子どものオンブズにいがた」の活動を停止することなく、これからも子どもたちが安心して生活できるような学校や社会になるために頑張っていきたいと考えていますので、会員の皆さまの更なるご協力をよろしくお願いいたします。

NPO法人 子どものオンブズにいがた 代表 井上 浩

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